今回は「保管場所の詳細」を見ていきましょう
前回は、積替え保管施設の
- 施設内配置図
- 排水処理設備
- 保管場所
- 選別場所
- 台貫
- 散水設備
- 消臭設備
- 施設内の写真
などについて見てきました。
今回は、さらに一歩踏み込んで、
「保管場所の詳細」
を見ていきましょう。
まずは「保管する産業廃棄物の一覧表」
最初に作成するのが、
保管する産業廃棄物の一覧表
です。
ここでは、保管場所ごとに、
- 産業廃棄物の種類
- 保管方法
- 保管量
- 屋内か屋外か
- 搬入者
- 搬出者
などを記載していきます。
容器を使用する場合には、
どのような容器を何個使うのか
まで記載します。
たとえば、
「0.2㎥ドラム缶×2個」
「6㎥コンテナ×2個」
といった具合です。
保管量には上限があります
ここは非常に重要です。
積替え保管施設では、好きなだけ産業廃棄物を保管できるわけではありません。
東京都の事前計画書では、
保管量は、1日当たりの平均的な搬出量の7倍以下
とすることが求められています。
つまり、
1日当たりの平均的な搬出量 × 7 = 保管上限
という計算です。
たとえば、1日当たり平均3㎥を搬出するのであれば、
3㎥ × 7 = 21㎥
です。
したがって、この場合の保管量は21㎥以下にしなければなりません。
事前計画書には、
実際の保管量 ≦ 保管上限
となっていることを数字で示していきます。
搬入・搬出のどちらかは自社で
一覧表には、
搬入者・搬出者
についても記載します。
ここでは、
「自社が運搬するのか」
「他社が運搬するのか」
を明確にします。
そして東京都の事前計画書では、
搬入・搬出のどちらか一方は、必ず自社のみで行う
こととされています。
たとえば、
他社が施設へ搬入
↓
自社が処分場まで搬出
という形などが考えられます。
次は「保管場所の図面・計画容量」
一覧表ができたら、次は、
産業廃棄物の保管場所の図面と計画容量
です。
ここでは、保管場所の
- 正面図
- 側面図
- 平面図
などを作成し、
- 幅
- 奥行き
- 高さ
- 最大保管高さ
- 容器の大きさ
などを記載していきます。
そして、
実際に何㎥保管できるのか
を計算します。
ここは、ある意味、
完全に算数の問題です。
基本的には、
縦 × 横 × 高さ
などから容積を求めて、㎥で計算していきます。
東京都の記載例でも、図面と計算式を使って計画容量を示す形になっています。
液状廃棄物では「防液堤」の計算も
廃油、廃酸、廃アルカリ、液状の汚泥などを保管する場合には、さらに重要になるのが、
防液堤
です。
万が一、保管している容器が壊れて中身が漏れた場合でも、外へ流れ出さないようにする設備です。
東京都の手引きでは、
防液堤内に置かれている容器のうち1個が破損して漏れた場合でも、防液堤内にためられること
を計算して、安全性を説明するよう求めています。
複数種類の容器がある場合には、原則として最大容量の容器1個が漏れた場合で確認します。
つまり、
壊れた容器から漏れる量
と、
防液堤の中に実際にためられる容量
を比較するわけです。
ここもやはり、
算数の問題です。
図面を描いて、寸法を測って、容積を計算する。
積替え保管の事前計画書では、こうした計算もかなり重要になってきます。
そして「作業手順書」
保管場所の詳細ができたら、次は、
作業手順書
です。
これは保管番号ごとに作成します。
まず、
- 手選別をするのか
- 手解体をするのか
- 有価物の抜き取りをするのか
を明確にします。東京都の様式でも、この3項目を保管場所ごとに記載する形になっています。
そのうえで、実際の作業を順番に書いていきます。
① 搬入
まずは、
どのように施設へ搬入するのか。
- どの車両で搬入するのか
- 容器を使用するのか
- どのような状態で搬入するのか
などを記載します。
② 保管場所への移動作業
次に、
車両からどのように荷下ろしするのか。
手作業なのか。
重機を使うのか。
選別場所へ移動するのか。
その場で手選別するのか。
手解体を行うのか。
金属くずなどの有価物を抜き取るのか。
作業中に散水を行うのであれば、それも記載します。
東京都の記載例でも、荷下ろし、手選別、有価物の抜き取り、散水など、一連の作業を具体的に記載しています。
③ 搬出
最後が、
搬出
です。
- どれくらいの量になったら搬出するのか
- どうやって保管場所から積み込むのか
- 容器を使用するのか
- どの車両で搬出するのか
などを記載していきます。
つまり作業手順書では、
搬入
↓
荷下ろし・選別・保管
↓
搬出
という、施設内で行われる一連の作業を具体的に説明するわけです。
もうあと少し……?
保管量を計算して、
図面を書いて、
防液堤まで計算して、
保管番号ごとに作業手順を書いて……。
ここまで来ると、
「もう終わりでしょう!」
と言いたくなるところです。
ですが、
もう少しあります。
次に出てくるのが、
施設の清掃
生活環境の保全上の措置
重機
そして、
積替え保管施設の事前計画の大きなポイントとなる、
周辺住民等への説明
です。
次回は、このあたりを見ていきましょう。
